0からの堆肥化施設教室

はじめに 設計計算(5)戻し堆肥(1)
堆肥化ってどういうこと?  前掲のフリーストールでの設計計算例では水分(容積重)調製に全量オガクズを利用しました。しかし、あまりにもオガクズの使用量が多いので戻し堆肥を副資材として活用する方向で設計を変更してみましょう。
 フリーストール牛舎で戻し堆肥を利用する場合の設計例の考え方を整理してみました。

(1)敷料の物理性を確保するために1頭当りオガクズの使用量を5kg/日程度とする。
(2)オガクズ及び戻し堆肥はは敷料として用いられた後に、ふん尿と混合された状態で堆肥化施設に搬入される。
(3)敷料及び副資材としての有効性を考慮し、戻し堆肥の水分は40%とする。

酪農(フリーストール)戻し堆肥利用の場合の計算例(「設計計算(1)設計諸元」よりつづく)
(1)オガクズの添加量
 オガクズを1頭当たり5.0kg添加する。
 必要オガクズ 70頭×5.0kg=350kg
 ガクズの水分率を25%
 容積重を250kg/立米とする。
 オガクズ水分量 350kg×25%=87.5kg≒88.0kg
 オガクズ乾物量 350kg−88kg=262kg
 オガクズ容積 350kg÷250kg/立米=1.40立米≒1.4立米
 ふん尿とオガクズの混合物
 混合物重量 3,850kg+350kg=4,200kg
 混合物水分量 3,430kg+88kg=3,518kg
 混合物乾物量 420kg+262kg=682kg
 混合物水分率 3,518kg÷4,200kg=83.76%≒83.8%
混合物の容積重を900kg/立米とする。
 混合物の容積 4,200kg÷900kg/立米=4.67立米≒4.7立米

(2)戻し堆肥の必要量
 副資材として戻し堆肥を用いる。
 戻し堆肥の水分率を40%
 容積重を350kg/立米とする。
 混合物の目標水分率を68%とする。
 戻し堆肥重量 4,200kg×(83.8%−68%)÷(68%−40%)
=2,370.00kg≒2,370kg
 戻し堆肥水分量 2,370kg×40%=948.00kg≒948kg
 戻し堆肥乾物量 2,370kg−948kg=1,422kg
 戻し堆肥容積 2,370kg÷350kg/立米=6.77kg/立米≒6.8立米

(3)混合物量
 混合物重量 4,200kg+2,370kg=6,570kg
 混合物水分量 3,518kg+948kg=4,466kg
 混合物乾物量 682kg+1,422kg=2,104kg
 混合物水分率 4,466kg÷6,570kg=67.9756469%=68.0%
混合物の容積重を700kg/立米とする。
 混合物の容積 6,570kg÷700kg/立米=9.386立米=9.4立米
 最初に副資材(オガクズ)の添加量を設定します。添加量に明確な基準はありませんが、戻し堆肥100%では敷料としての物理性に問題があると思われます。
 一定量のオガクズを添加した後に容積重を調整するために必要な戻し堆肥の量を計算します。この部分の計算は「
設計計算(2)副資材」と同様の計算方法です。
なぜ堆肥化が必要か
家畜んのふんはどのくらい分解するの
堆肥化に必要な日数は?
堆肥化の準備
処理対象ふん尿の量と水分率
設計計算(1)設計諸元 
設計計算(2)副資材
設計計算(3)発酵槽容積
ふんと副資材の分解発熱量
設計計算(4)分解と水蒸発
容積重の設定
戻し堆肥の利用
設計計算(5)戻し堆肥(1)
設計計算(6)戻し堆肥(2)
設計計算(7)戻し堆肥(3)
設計計算(8)戻し堆肥(4)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
  
  
  
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
  
  
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エクセル版
  2003/12/26:初版