0からの堆肥化施設教室

はじめに 堆肥化の準備
堆肥化ってどういうこと?  堆肥化する、つまり発酵させるには水分調整が必要と言われています。確かに水分調整は必要です。それは、通気性を確保するためです。前項で説明したとおり、通気性が高いほど平均総乾物分解率が高いからです。そう言う意味では、水分率よりも容積重で考えた方が合理的です。同じ水分率であっても、材料の違いによって通気性に差があるからです。

 現場における容積重の測定は「本多式容積重測定器」を使うと便利です。



 通気性を確保するために堆肥化スタート時の容積重を700kg/立米以下とします。このために予備乾燥させるか、副資材(オガクズ、モミガラ、戻し堆肥等)を混合します。以下といってもあまり極端に容積重が軽いと、つまり水分が少ないと発酵しませんので注意してください。

堆肥化発酵スタート時の水分及び容積重
畜種 副資材無使用 戻し堆肥混合 オガクズ混合 モミガラ混合
65%以下 68%以下 72%以下 75%以下
豚・鶏 55%以下 58%以下 62%以下 65%以下
注)上記水分の容積重は、いずれも700kg/立米と設定する。

 千葉県畜産センターの成績より作成した水分調整後の堆肥原料の容積重を示します。
種 類 オガクズ添加 未粉砕モミガラ添加 戻し堆肥添加
高さ(cm) 50
100
150
200
250
50
100
150
200
250
50
100
150
200
250
水分
(%)
40
42
44
46
48
50
52
54
56
58
60
62
64
66
68
70
72

400
400
400
400
400
400
400
400
430
470
510
590
670
720
760
790
800

400
400
400
400
400
400
400
420
460
510
550
640
730
780
790
800
800

400
400
400
400
400
400
400
450
490
530
580
670
760
800
800
800
800

400
400
400
400
400
400
420
470
510
560
610
680
760
800
800
800
800

400
400
400
400
400
400
440
490
540
590
640
700
770
800
800
800
800

400
400
400
400
400
400
400
400
410
420
440
520
610
670
720
770
800

400
400
400
400
400
400
400
400
410
440
470
560
660
730
770
800
800

400
400
400
400
400
400
400
400
420
460
500
600
710
770
790
800
800

400
400
400
400
400
400
400
400
430
480
530
640
750
800
800
800
800

400
400
400
400
400
400
400
400
430
490
560
650
750
800
800
800
800

430
450
460
480
500
530
540
560
600
660
710
750
780
800
800
800
800

480
500
510
530
560
580
600
620
660
720
780
790
800
800
800
800
800

520
.540
560
580
610
630
650
670
730
780
800
800
800
800
800
800
800

560
580
600
620
650
670
690
710
750
780
800
800
800
800
800
800
800

590
610
630
650
680
710
720
740
770
790
800
800
800
800
800
800
800
注) 豚ふんを材料とした成績であるため牛ふんには適用不可
 すばらしい基礎データです。このような表が牛ふんで作成されていないのが実に残念です。
なぜ堆肥化が必要か
家畜んのふんはどのくらい分解するの
堆肥化に必要な日数は?
堆肥化の準備
処理対象ふん尿の量と水分率
設計計算(1)設計諸元
設計計算(2)副資材 
設計計算(3)発酵槽容積
ふんと副資材の分解発熱量
設計計算(4)分解と水蒸発
容積重の設定
戻し堆肥の利用
設計計算(5)戻し堆肥(1)
設計計算(6)戻し堆肥(2)
設計計算(7)戻し堆肥(3)
設計計算(8)戻し堆肥(4)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
  2003/12/7:初版